突然に、やってくる。
羽田空港近くに船の形をした博物館が、あった
と、記憶している。
空港近くの土地に漂う空気
昼間から飲んだ時の感じ漂う港にそれは、あった
と、記憶している。
当時、切手収集に夢中だった。
売店で外国の古切手を買ってもらった。
円ではなく、不思議な単位の切手が無作為に入っていた。
月と雁、とか
見返り美人、だとか
そんなもんに価値があるんだと信じて
デパートの切手売場で鼻息荒く眺めていた小学生の私には。
それら外国の切手は全く興味が持てなかった。
あれらはどうしたんだろう。
今ならあの一枚一枚をじっくり眺めるのに。
そんな昔のどうでも良い記憶の破片が
薄いセロファン紙みたく
何の前触れも脈絡もなく
ちょっとした意識の隙間に割り込んでくるものだから
気が果てしなく、遠のく、遠のく。
休みの日はしばし放置。
仕事中(移動中の信号待ちとかで多い)は頬を叩いて叱咤する。
そんなことはありませんか。
タミフルの原料だったのかー。
知らなかった。
シネマは、いいのだわ。
チケットを買う
整理券をポケットに近くの喫茶店に滑り込む
半端な時間なら次回のチラシを眺める
闇
ひざ掛けをして缶ビールを飲む
散り散りとなる帰り道
ナイトシネマもいいし、休日の二本立てもいい
うーん。
全てをひっくるてシネマはいいのだわ。
潜水艦気分に浸れるシネヌーヴォー大阪で。
シュバンクマイエルは半日居座るの巻。
丸山明宏の黒蜥蜴は何と満員御礼。
帰りは居酒屋で飲んで、立食いうどんでしめるのも愉しみ。
シネヌーヴォーと同じく学生時代から愛してる七藝。
数秒なんだけど、いい表情で忘れ難いシーンがあった。
こんな一瞬があると、もう、何かそれで良し。
『徘徊』は文句なく良かった。
こんな風な映画、最近多いけど。
サクラちゃんは久しぶりにハマッた俳優さん。
次作の白河夜船は狙いすぎな感じがあるが…。
でも、観にいくんだわ、きっと。
元町映画館も好きだなー。
『抱擁』
『アラヤシキの住人たち』
『みんなの学校』
『あん』
…と、これからも続くオタノシミ。
月映とコーヒーと
お。
これは、年末年始のご褒美かしらん。
とん、ととん、と可愛く並ぶ『休』の文字。
早朝出発…。
いや、いや。
やはり夜出発でしょう。
ということで
いつもの如く
はい、和歌山到着。
テクテク歩き、まずは井出商店でズズッと一杯。
はー、シアワセ。
そして、和歌山といえば…。
はい、『もくれん』到着。
→http://co2lo.jp/janjan/mokuren/
あー、良かった、開いてるみたいだ。
カランコロン。
ドアベルがぼんやり響く中、お邪魔する。
相変わらずのいい空気。
うーん、と。
三年振り…かなあ…。
驚くのはマスターの記憶力。
髪型とメガネが変わったことをまず言われる。
16年になる、と。
このお店は16歳。
たんたんとしてたらそうだった、と。
ああ。
そうだね。
そうなんだなあ。
私は何をしとるんじゃろか。
いつもの席でしばし、ぼんやり。
仇份みたいだなあ、と。
暗闇に浮かぶお向かいのお店や横丁の灯り。
明るすぎないが、澱みはない。
現実だけど、そうでないみたい。
翌朝。
カーテンを空けたらお城が真ん前だった。
さあ、今日は美術館。
かねてからのオタノシミの展覧会だ。
おお。
常設の方もオモシロイ。
難波田史男、ルオー、佐伯祐三、ロスコ。
今回の田中恭吉や恩地孝四郎の油彩も素晴らしかった。
一階に二階に上往下往。
ほぼ貸し切りで、好きなことだけに没頭する至福の時間。
私は
違うことをしないでおこう。
それしかないし
それしかできない。
それにしても『生ふるもの去るもの』の黒ときたら。
黒がこんなに豊かで美しいとは。
これは急いで誰かに知らせなくてはと思った。
つるとはな
在る夜。
グツグツとおでんを仕込む間。
五島で買った麦焼酎を濃ゆいめにお湯で割る。
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米田さんは姫路の展覧会で知った。
平日で人も少なくて、気づいたら2時間くらい眺めていた。
長島さんは去年クレマチスの丘で知った。
この写真集は文章も文字も好きなんだ。
あと4日!
仕事から帰ったらポストに。
わーい
わーい
連勤明けのオタノシミにするのだぞう〜
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