月映とコーヒーと

お。
これは、年末年始のご褒美かしらん。
とん、ととん、と可愛く並ぶ『休』の文字。


早朝出発…。
いや、いや。
やはり夜出発でしょう。


ということで
いつもの如く


はい、和歌山到着。


テクテク歩き、まずは井出商店でズズッと一杯。
はー、シアワセ。


そして、和歌山といえば…。


はい、『もくれん』到着。
http://co2lo.jp/janjan/mokuren/

あー、良かった、開いてるみたいだ。


カランコロン。
アベルがぼんやり響く中、お邪魔する。
相変わらずのいい空気。


うーん、と。
三年振り…かなあ…。


驚くのはマスターの記憶力。
髪型とメガネが変わったことをまず言われる。


16年になる、と。
このお店は16歳。
たんたんとしてたらそうだった、と。


ああ。
そうだね。
そうなんだなあ。


私は何をしとるんじゃろか。
いつもの席でしばし、ぼんやり。


仇份みたいだなあ、と。
暗闇に浮かぶお向かいのお店や横丁の灯り。
明るすぎないが、澱みはない。
現実だけど、そうでないみたい。



翌朝。
カーテンを空けたらお城が真ん前だった。


さあ、今日は美術館。
かねてからのオタノシミの展覧会だ。


おお。
常設の方もオモシロイ。


波田史男、ルオー、佐伯祐三、ロスコ。
今回の田中恭吉や恩地孝四郎の油彩も素晴らしかった。


一階に二階に上往下往。
ほぼ貸し切りで、好きなことだけに没頭する至福の時間。


私は
違うことをしないでおこう。
それしかないし
それしかできない。



これが好きだったなあ。


それにしても『生ふるもの去るもの』の黒ときたら。
黒がこんなに豊かで美しいとは。


これは急いで誰かに知らせなくてはと思った。