日々。

或る日。


その人のお腹はガンが悪さをしてパンパンだ。


「おとーさん。今日はどない?」
「うん。最高!」
「最高かー」
「いつもおかーちゃんがいてくれるし、こうやって毎日カンゴフさんが来てくれる」


そうして、笑う。
私も、笑う。


出会って二カ月。
寝てるような顔をして旅立っていかれた。


在宅での看取りは寝てるような穏やかな顔が多い。


最後に触れた時の皮膚や血管の感触を確かめて
その手でカリカリとミルで豆をひいてコクンと飲んで
「今日はどない?」とまた始まる日々。


浜松は遠州鉄道の車窓から。