たみおさんと一緒。

眼鏡を新調した。


訪問途中にテンプルがパキン、と。


18の時から愛用していた眼鏡。
しばし、茫然。


接着剤で応急手当。
しかし、微妙にずれが…。
ズルズルと下がってくるようになった。


仕事の帰りに、近所の眼鏡屋さんに見に行った。


でも、ぐっとこない。


なんせ一目惚れだったんだ。
しかも、20年近く毎日かけてるのだ。
もう顔の一部なんだ。


結局、その日は店をあとにした。


でも、数日してまた、パキン、て。


ああ、何とかしなくては。
仕事も仕事だし。
ヒトに迷惑をかけてはなるまいぞ、なるまいぞー。


最近の自分の流れに従い、梅田に出る。


休日の梅田は凄い人。
ひるんで諦めそうになる。


人混みに流されてみて、偶然見つけたお店。

量販店ではないみたい。
図書館みたいな雰囲気に安堵する。


ひとつひとつ、丁寧に置いてある。
ひとつひとつ、抜群に素敵だ。


ここならば!と直感して、ふと目に入った。


丸めがね、だ。


牧野富太郎さんとか、内田百間とか。
おばあちゃんていうより、おじいちゃんライク。


デザインに一切無駄かなく、存在が美しかった。


私は鼻ぺちゃで丸鼻だ。
ついでに鼻の穴もまんまる。
丸めがねをすると、より強調される。
と、昔、他店で言われたことがあったわなあ。
ああ。
でも、この格好良さといったら!


なんて、いろんなことが去来する。
じーっと動けなくなっていた私に店員さんが声をかけてくれた。
無駄に接客しない自然な感じが良かった。


私が穴が空くほど見つめていた丸めがね。
鯖江の良い職人さんで、ナントカたみおさんの手作りだ、と。


へええ。
このお店は鯖江の眼鏡屋さんだったのか。
どおりでなあ。
しかも、ハンドメイドなんだなあ。
やっぱり手作りはいいよなあ。
しかも、たみおさんかあ。
うーん、これは関係ないけど…。


ということで。
試しにかけてみた。


思わず、店員さんとニンマリする。


晴れて
思い切りよく、決めた。


後日、受け取りの時。
涙が出たけどもさ〜。


でも、晴れ晴れとたみおさんをかけ。
リハビリを兼ね、そのままゆっくり散歩することにした。


レンズを奮発したから、すこぶる視界がいい。
これでまたテレビは当分、お預けやけど。
その分、実際に自分の目で沢山のことを見たらいいでないかい?



北浜の少彦名神社にお詣り。
前出の木村さんの本で読んで、素敵だなあ、と。


同じ寅年ってだけで惹かれて行ったら。


なんと、まあ、お薬の神様でした!
私、冴えてるでねーのー。


あの人も、この人も。
訪問先の皆さんの顔が次々と浮かぶ。
続いて、家族に友人。
もう会えないだろうけど大切だった人。


ああ、どうか。
みんなの日々が笑顔で在りますよう。
病にあっても、健やかで在りますよう。
見守っていてください。


さて。
来るとき見つけたビアホールで一杯やって帰るか。


20年の悲喜交々をありがとう。
沢山の景色を刻めた。

神社で買った小虎のお人形とおみくじと。


わーい。
吉だってさ〜。
幸先いいなあ。