そんでいい!

或る日。


私のソウルフード、まめすずちゃんのおやつをいただく。


ソウルフードとはよく言ったもの。
魂がもう、ふるふる言う。
はみ出る、はみ出る。
下品だなあと思いつつ、抑制が効かない。


あー、これもいい。
あー、こっちもね。


この感覚は、そうだな。
そやなあ。
コイビトといる時の感じやね。
フウフでなく、コイビトね。


まあ、今はもう、遠いんやけど。


うふん。

おやつは、独りでこしらえてはる。
その日、その時の美味しいを真摯に素直に形にする。


たゆまず、今日も焼く。
その営みの深さと有難さ。


選ぶお客様も皆さん、愉しく真剣。
魂がはみ出る私は、持ち帰り含めてもれなく全部いただく。
選べないんだもんね。
仕方ない。


やっぱり、今日も美味しい。
心底、美味しい。
きっと、次来るときも、美味しい。


道中、近くのワイン屋さんに寄る。


手頃ないいワインがずらり。
試飲させていただき、樽樽な香りがする辛口白を。
アイラを彷彿させる余韻。


燻製というか、何というか。
私は燻す感じに弱いんだ。
しかし、素晴らしいコストパフォーマンス。


ミーハーだけど、ボージョレーも買う。
だって、一種類しか置いてないって。


数ある中で、店主さんはこの一種類を。

それでいい、と思う。

沢山種類を揃えるのは、他店に任せばいい。


まめすずちゃんも、ワイン屋さんも。


私は、ていねいに、真摯に選ばれた幾つかあればいい。
そんなヒトが周りにいる。


そんでいい。