デスマスクの裏側
クイズ好きの母のリクエストで必ず観ていた番組。
女性は中村梓さん、男性は浅井慎平さんがリーダーだった。
買ったチームのゲストには、スポンサーメーカーから賞品が贈られる。
湯沸かしポットとホットプレートがやたら印象的。
リーダーの2人に負けない正解率を保ちつつ。
しかし、リーダーやゲストの存在感を、場の空気を脅かさない。
でも、ちゃんと在るという彼女。
サスペンスものに彼女が出てきたら
100%犯人はこの人やでと、弟とやたら盛り上がっていた。
翳りのある表情は美しい。
でも、何だか幸の薄いというか、触れない方がいいというか
かといって、決して弱いわけでなく。
少なくとも当時の私たち姉弟には、主役級の存在感だった。
先日、思いがけず本屋で彼女を見かけた。
クイズ番組よりもう少し若い頃の写真。
綺麗だった。
しばし、じっと見入る。
そして、タイトル。
私は全く知らなかった。
- 作者: 山口果林
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2013/07/31
- メディア: 単行本
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何をとどめたくて、かたどったのだろう。
読了後、まずそれを考えてしまった。
「安部公房とわたしとの生活はまったく無視され、
私は世間から透明人間にされてしまった」
とは、果林さん。
うーん。
やっぱり、これは言っておきたかったのか。
誰に向けて?
なんて、私如きが考えを巡らすより、
私の日々がまた巡るだけなんですけれども。
でも、表紙の彼女は綺麗だ。