祖母のこと、少し。

えぜこの什器は、大学時代から弘法さんや天神さんなどの市や古道具屋さんでぽつぽつと買ったものと、もともとこの家にあったもの。

師範学校を出て教師をしていた祖母は、結婚後には専業主婦になったが、母や叔父が小さい頃、えぜこの空間(通称“となりのへや”)で寺子屋みたいな塾を始めた。私が小さい頃も続けていて、帰省の折には“となりのへや”にいき、上級生にまざって机にむかうのが好きだった。

朱色のフデで添削をする祖母。黒板を使って教える祖母、とおる声で読み上げ算を読みあげる。
そんな祖母は私のあこがれだったし、そんな経緯で“となりのへや”には特に思い入れが強い。

祖母が残してくれた黒板やチョーク、小さな机などのホコリを払い、ひとつひとつ拭く。

えぜこで再び息を吹き返してくれる。


↓黒板裏の落書き。宝田くん(さん?)は何をしたのでしょう。
 本人さんいらしてくれたらコーヒー一杯無料にします。当時のエピソードをお聞かせください。