やっぱり、好きだ。

初めて目にしたのは高校生のとき。


こわい。
これが、最初の印象。
たぶん、大理石のあの目のせい、だ。
こわいけど、ずうっと脳裏に焼きついていて。


アトリエにおじゃましたとき。
クスノキのいい香りがした。
大好きな作品がカタワラに在って。
すこぶる居心地が良くて。


そのときいただいた木屑。
小瓶にいれてずいぶんと持ち歩いていた。
ラオスだかを旅行中に落としてしまったのだが。


あれから、20年近い。
途中で作風が変化し、正直戸惑った。
昔のシンプルな彫像が好きだなあ、と。


今回、展覧会案内にあった新作。
見た感じに戸惑いを覚えた。

でも。
実際に対峙したとき。
清涼感を感じた。
特に乳房の美しさに見蕩れてしまって。

美術館の空間のチカラも大きい。
それでも、そこから生えてきたみたいな強さも感じ。


大好きな初期作品『妻の肖像』も静かだけど確かな存在感。


改めて。
やっぱり、好きだ、舟越さん。