ハイテク。

昨日は一日、ゆっくりと過ごせた…ならば良くなっていたんだろうか。

結局、のろのろと昼過ぎに起きて、雑務をしてしまった。はああ…。


そして、今日ももれなく鼻がぐずぐず。耳鼻科に行ったら副鼻腔炎だと。はああ…。

医院にはきれいな助手さんや看護師さんがたくさんついていた。マクドナルドでポテトをすすめられるみたいに放射線、吸入コーナーに案内される。内視鏡みたいなので写真を何枚もとったり、吸入も、砂時計までもがデジタル表示。なにやらハイテクなのだった。

鼻に吸入器をつっこみながら、ふと、昔、看護助手さんのアルバイトをしていた頃を思い出した。

そこは親子で営む医院だった。
1階が内科・外科・整形だけど、何でもこなす若先生で2階が耳鼻科の大先生(オオセンセイと呼んでいた)。どちらもいつも患者さんでいっぱいで忙しかった。

出勤すると、その日に、受付か1階か2階か担当部署をつげられる。

耳鼻科では昔ながらの器具と方法で消毒したり、煮沸する。吸入も顕微鏡みたいなカタチのもので格好良く、注射器で薬液を注入する。患者さんが座ったらピンクの砂の入った砂時計をひっくり返す。
時々、話し込んで砂時計が落ちたのにしばらく吸入してたりもした。3年も続けると馴染みの患者さんもでき、会話も増えて楽しい。先生との会話を楽しむ患者さんも多かった。

大先生は、「イソジンくださいますか」という患者さんに、「お茶でうがいをしなさい。番茶でもいいんだ。よけいにのどがやられるから。あと、しゃべらないことと空気の乾燥はだめ。ぬれたタオルでもいいからお部屋に吊るしなさい」と必ず言う。何度も聞いているうちに、いつのまにか覚えてしまった。

看護師になったとき、イソジンを欲しがる患者さんに「そんなもんやめとき。お茶でうがいしたら十分や」と言い、部屋に濡れタオルを干したりしていた。詰め所にかえって、大先生を思いだし、あらまあ…と一人笑ってしまった。

若先生も大先生もスタッフさんも人間味があって中々充実したアルバイトだった。看護学校の内容以上にいろいろと勉強したようにも思う。

…と、回想していたら吸入が終わっていた。


↓畑で採れたたまねぎ。下の大きいのが師匠の作ったもの(←師匠については後日…)。
 甘みが違う。