日々雑記。

○或る日ー。

連日、看取りがあった。


エンゼルケアをさせていただいて
終わった瞬間、ご家族共に息を飲んだ。


この表情は、なんというんだろうか。


雲一つない秋の空みたく、抜けた感じ。


よどみはなく
カラダやあらゆる機能を存分に使い切り
魂が脱けた


そんな存在として、こうして横たわってはる。


こう在りたい、と心が震えた。


○また、或る日ー。

「生かされてる」って。


なんだろう。


なんか、こう、いいとこまでいくねんけど。
むせてまうねんなー。

違う。
綺麗過ぎるやろ。
生きるって、もっと混沌としてて。


なんか、違う。


「成り立ってる」


あ、これがいいんとちがうか。

ネットワークの一員で、中継点の一つ。
ちゃんとキャッチして、いいパスをする。



○またまた、或る日ー。
着古した麻のワンピース。

フランスの工場の古い作業着のデザインで、好きなのだ。


とても気に入っていたから、友人に藍の染め直しをお願いしていた。


大学生になって一人暮らしした子どもが久しぶりに帰ってきたら、なんか成長していて目頭が熱うなる。


そんな感じに近い、と思われる。


みつさんの天然藍のにおい、色の深さ。


いい仕事してはる。
http://www.cochococho.com/


みつさんたちは民宿もしてはる。
家族みんなの人柄はご飯も美味しかったし、さぞや…。



…と。
またまた、こんな妄想などしてしまう。


一泊でも、数日でも、好きなだけ泊まれる。


住むこともできるし
そこで、生ききることもできる。


朝ごはんはオニギリと美味しいコーヒー。
もちろん散歩がてら、本を読みがてら立ち寄ってもらえる喫茶店でもある。
ランチはないが、黒糖チーズケーキと気まぐれなケーキがある。


必要ならば、必要なケアもできる限り。


いろいろな人がそこにいる。


私はいろいろな形ではあるが


ただ一つ言えることは

コーヒーも
ケアも
心を込めてその時その時の最良を尽くす。


そんなことができたらばなあ。

『道』のジュリエッタ・マシーナが好きだ。
空間のイメージはサーカス、だ。


他人の時間

『ていねい。
そして心を込める。
それで自分は幸せ、これで正しいと納得してしまうのは注意すべ
き落とし穴のようなものだ。

できれば、もう一歩先まで心わ働かせること。

すなわち

なぜ、ていねいにしたいのか
なぜ、心を込めたいのか 』 松浦弥太郎さん


その先にある答えが、こういうことなんだろうかなあと
ぼんやり思った。



大阪国際美術館の『他人の時間』


釘つけになったヴォー・アン・カンの写真。


ブルース・クェックの時計
アン・ミー・レーの軍人


もはや他人ではない、充実した私の時間。

フイチンさん。

映画を観るには時間があり
本屋に立ち寄る。


あらー。
何かしらー。
高野文子さんの新作?

と、一瞬思ったけど、違った。


帯の文句にも後押しされ
ちょっと張り込んじゃったもんね。


るきさんサザエさんのにおいがする。
内容も何か近しいものがある。
こんないい漫画があったんだなあ。



この日は新しい蔦屋書店にも行ってみた。

一度目は人も多くて、疲れたせいか印象が悪く。
今日は二度目だった。


しかし…、うーむ…、落ちつかない。


カフェがちょっとのさばり過ぎてやしないか。
おしゃべりするなら、普通のスタバでいいんでなかろうかなあ…。


肝心の本もなんか見にくくて。
欲しい本というか、本自体が案外少ないようにも感じた。

『フイチンさん』を買ったマルゼンのがよかったなー。
思わず文庫も買ってもうたしなあ。


三月書房さんとか、B&Bさんとか。
欲しい本があるのと、量、設備やら広さは関係ない、と思う。


家の近所にいい本屋と喫茶店があれば、いいよなあ…。

黄昏時に、神々のたそがれ。

うわー。


なんじゃ、こりゃー。


えらいもん観てもうたでー。


その後観たドラン監督だって決して悪くなかった。
年の割に、奥行きも感じたのだ。


しかしながら。


うわー。


もっぺん、観にいかなあかんわ、これ。


’神々のたそがれ‘

瞬間瞬間の密度が濃ゆすぎる。


’戦争のない20日間‘もすんばらしかったのだ。

何とかして‘道中の点検’を観たいんだけどもなー。
スケジュールが何とも…。


と、今年三回目のtimのカキ氷を堪能しつつ
フライヤーとにらめっこ。

こちらに来てからというもの、夏定番のオタノシミ。
回数券が欲しい。

味わう文章。

先日出会った、橋口幸子さんのエッセイ。
こんな出会いはほんまに至福。
近所にあったらいいのになー。
https://m.facebook.com/worldendsgarden


こちらは、店主さんがすすめてくれたので早速取り寄せた。

珈琲とエクレアと詩人 スケッチ・北村太郎

珈琲とエクレアと詩人 スケッチ・北村太郎

タイトルからして、ぐっとくるではないかー。


そして、内容も。


はああ。


こんな至福の出会いが、まだまだあるんだぜ。


また、店主さんにオススメをお尋ねしてみよう。


それにしても、夏葉社。
いい品揃えだ。

ささやかな循環

ここ数年は、モノはあまり増やさずにいる。


でも、やはり素敵な出会いはあるし、大切にしたいから。
増やしたかったら、減らす。


足し算、引き算。


身の丈に合った循環は
思いがけず始まったワンルーム暮らしのおかげ。


しかし、うーむ。


本が棚からはみ出てきてしまった。


ということで、棚に余白を残す引き算気味の厳選作業をし
久しぶりに王子公園まで。
ワールド→


猫ちゃんはソファーで昼寝中。
久しぶりの店内は本が、こう、みっちりと。
しかし、店主さんの風情は変わらない。


計算中にふと目に入った本。


表紙の写真と紙の感じ。
一行読んで、ああ…と。

[rakuten:book:17471590:detail]
こういうのが読みたかったんだー。
この読後感と空気は『カメオのピアスと桜えび』に似てるなあ。
雨上がりの森みたいな清しい重たさ。


幸子さんや田村和子さんに親近感を覚える。


お茶をしながら読みふける。
読みながら
読み進めてく至福と、読み終えてく切なさも噛み締めながら。


ふと、友人を思い出す。


きっとこの感覚を共に味わえるであろう…、うん、味わいたい。


またお店に戻り、一冊、求めた。


素敵な本に巡りあえて
自分の感覚を躊躇することなく押し付けられる友人がいる幸せをかみしめて


ああ
いい一日。


http://sp.nicovideo.jp/watch/sm10303741
その帰りしな


古道具屋さんのセールワゴンで発見。


こ、これはー。


’レオナルド‘を始め、好きなもんばっかだもん。
‘エトセトラ’の音楽も好きなんよなー。


これはラッキー!と、パッと手に取る。


棚にはまだ余白があるから


思い切り良く楽しめる。

yet

毎週、誰かが旅立っていく。

出会ってから何週間。


その人がどんな人生を歩んで来たのか。
どんなことを愛したのか。
昨日まで感じた息づかいとか。
皮膚の感触、
言葉、
音。


話せなくても、脈の鼓動や肺の音が物語る。
血圧の音がこんなにも人生を語るとは。


在宅で働かなかったら
ここに来なかったら
分からなかった。


十分に受け止めるだけの器がないことは百も承知。


私はこの仕事をしていていいんだろうか。


毎日、迷うし、揺れる。


中々、眠れない夜もある。


でも、何だか、次の日も同じ時間のバスに揺られて職場に向かう。


そんな日も
そんな日々も


今ならあってもいいのかもと思うようになった。


https://m.youtube.com/watch?v=xIsAQQ7jBJE
疲れてクタクタでしたが。
やはり思いきって出かけた。


カラダ中に響く音が
自分の中の記憶とか思いとかに共鳴する。


あー
私って、器なんだなあ。


同い年のミトさんが大感激のオリックス劇場


出かけて良かったなー。